2023年 SUPER GT 第3戦 SUZUKA <決勝>
2023年6月4日(日) final 決勝
ZENT GR SUPRA#38 立川祐路/石浦宏明
決勝結果10位(暫定)
< 決勝 > 天候:曇|コース状況:ドライ
6月3日(土)の公式予選では、立川祐路がアタックするも硬めのタイヤだったことが影響したか、アタック中にコースアウトを喫し、走路外走行のペナルティをとられアタックラップのタイムが抹消に。14番手と悔しいポジションからレースを戦うことになったTGR TEAM ZENT CERUMOは、その悔しさを晴らすべく、6月4日(日)の決勝レースに臨んだ。
前日まで吹いていた強い風は収まり、気温28度/路面温度46度という暑さのなかで迎えた決勝レース。ZENT CERUMO GR Supraのスタートドライバーを務めることになったのは立川祐路だ。午後1時30分にスタートしたパレードラップ、フォーメーションラップを経て、立川はZENT CERUMO GR Supraのアクセルを踏み込んでいった。
ただ、前日の公式予選Q1でもそうであったように、なかなかタイヤに熱が入っていかない。周囲のライバルたちも同様のようで、オープニングラップからウィービングを繰り返していくが、ZENT CERUMO GR Supraのタイヤが温まりきる前に、ペースに優る#24 Z GT500に先行を許してしまい、立川は序盤15番手でレースを進めていった。
しかし、タイヤにしっかり熱が入るとフィーリングが好転。ライバルたちに追いつきはじめる。とはいえ鈴鹿はオーバーテイクもしにくいコース。ペースを活かすためにも、ライバルよりも早めにピットに入りタイムを稼ぐアンダーカットを狙っていくことになった。20周を終えZENT CERUMO GR Supraはピットインを行い、立川がそのまま継続してドライブ。追い上げを期していった。
レース中盤に向けタイムを稼ぎたいところだったが、新たに装着したタイヤも序盤と同じもので、やはりウォームアップに苦しめられることになる。その間にライバルとのギャップは開いていったが、またもタイヤに熱が入るとペースアップ。32周目には#3 Z GT500に迫り、さらに34周目には#8 NSX-GTを日立Astemoシケインで接触しながらもオーバーテイク。ライバルたちの接触によるアクシデント等もあり、ZENT CERUMO GR Supraはトップ10圏内に進出していった。
さらに立川は40周目、#37 GR Supraに接近しつつ、45周までの長丁場のダブルスティントを終えピットイン。石浦宏明にステアリングを託した。立川がウォームアップに苦しんでいたこともあり、石浦は柔らかめのタイヤをチョイス。残り32周の戦いに臨んだ。アンラッキーだったのは、いざ石浦がコースインしようかというタイミングで、後方からピットアウトしてきた#17 NSX-GTを先行させざるを得なかったところ。これでひとつポジションを落としてしまった。
しかし石浦は、その後前を走っていた#37 GR Supraを56周目にパス。さらに#17 NSX-GTを追い、ポイント圏内の10番手に浮上する。燃費に余裕があったことから、さらなる上位進出を目指しペースアップを試みた。
ただその直後、鈴鹿サーキットに戦慄が走った。59周目、130R立ち上がりで表彰台圏内を争っていた#23 Z GT500がGT300車両と接触。キャッチフェンスに激しくクラッシュしてしまったのだ。車両が原形を留めぬほどのアクシデントに対し、レースは即座にセーフティカーランに切り替えられ、さらに59周の時点で赤旗中断に。ガードレールやフェンス等も大きくダメージを受けており、そのままレース終了が宣言されることになった。
アクシデントに見舞われた#23 Z GT500の松田次生選手に大きな怪我がなかったのは不幸中の幸いで、同じレースを戦う仲間としてTGR TEAM ZENT CERUMOのメンバーもホッと胸をなで下ろすことになった。そしてZENT CERUMO GR Supraの順位は、レース後抗議等が出され正式結果が確定していないものの、暫定で10位というものになった。
予選順位からはポジションを上げ入賞を果たしたことは評価に値するが、やはりTGR TEAM ZENT CERUMOが目指す位置はもっと上。チームの地元である次戦富士スピードウェイでの逆襲を期するべく、チームは2ヶ月のインターバルを迎える。
ドライバー/立川 祐路
「後方のグリッドから、できることをやろうと頑張っていきましたが、僕たちは硬めのタイヤを選んでいたこともあり、思った以上にウォームアップが悪く、序盤は少し苦しいレースになりました。ただ熱が入ってからはかなり良いペースになったと思います。とはいえ、一度ピットインしてからはせっかく抜いたクルマにアウトラップで離されていまい、またタイヤが温まると追いつく……という展開になってしまいました。思ったより気温が下がったこともあり、ウォームアップが良ければもっと順位を上げられたかもしれません。ペースとしては良い手ごたえはありましたが、とはいえ結果を残さないといけません。次戦富士、そしてまた鈴鹿でのレースがあるので、しっかりと結果を残しにいきたいと思います」
ドライバー/石浦 宏明
「序盤から立川選手の前に#24 Z GT500が走っていて、オーバーテイクが難しそうな状況もあったので、比較的早めに動いてアンダーカットを狙うような戦略を採りました。ただ、僕に交代したときには、硬めのタイヤでいってしまうとアウトラップのウォームアップで大きく遅れてしまうこともあり、最後は柔らかめのタイヤを選択していきました。ピットアウト時にアンセーフリリースをとられそうなタイミングでもあったので待ったのですが、そこはひとつ悔しいポイントでしたね。終盤は燃費にも余裕があり、ペースを上げるタイミングになったところでアクシデントが起きてしまいました。ドクターからドライバーが大丈夫そうという連絡を聞き、SUPER GTを戦う仲間のひとりとしてホッとしました。とは言え、今のSUPER GTは速度も高く、安全性も今後すごく大事になってくると思うので、その点は何か改善できることがないのか気にしていきたいです。今回は自分たちの本来のパフォーマンスよりも下になってしまっているので、次戦富士でしっかり優勝を狙えるよう、見直していきたいと思います」
監督/村田 淳一
「10位という結果となりましたが、ポイントをなんとか獲ることができました。今回は#37 GR Supraや#8 NSX-GTと予選ペースが良くなかったチームと争いその結果で1ポイントを獲れたので、戦略としては悪くなかったと思いますエンジニアが考えてくれた戦略でトラックポジションを守れたので、その点は大きな成果でした。結果的に予選も含めたタイヤ選択がチームとして上手く機能していなかったと思うので、そこは反省しつつ、2ヶ月後の次戦に向け、前半戦で良かったところ、悪かったところを出していきたいと思います。1ポイントで満足するわけにはいきませんし、次回以降まわりのサクセスウエイトも重くなってきます。勝てるような準備をして、悪くても表彰台と言えるようなレースをできるように、しっかりと準備していきたいと思います」