2023年 SUPER GT 第6戦 SUGO <決勝>
2023年9月17日(日) final 決勝
ZENT GR SUPRA#38 立川祐路/石浦宏明
決勝結果 リタイア
< 決勝 > 天候:曇|コース状況:ドライ
予選5番手と、前日の第6戦SUGOの公式予選では今季最上位タイグリッドを獲得したTGR TEAM ZENT CERUMO。迎えた9月17日(日)は周辺道路に渋滞が起きるなど、1万8500人という非常に多くのファンが訪れるなか、気温28度/路面温度33度というコンディションのもと、午後1時30分からの決勝レースを迎えた。
ZENT CERUMO GR Supraのスタートドライバーを務めたのは立川祐路。決勝直前のウォームアップ走行では1コーナーでわずかにコースアウトするシーンもあったが、大きなダメージはなし。1周のパレードラップを経て切られたスタートで、立川はまずは5番手のポジションを守りながらオープニングラップを締めくくる。序盤からGT500クラスの戦いは僅差だったが、5周目にGT300クラスの集団に追いつき始めると、コース幅が狭いSUGOを舞台に、立川が躍進していった。
9周目、立川は混戦のなかで前を走る#39 GR Supraにターゲットを定めると、10周目の1コーナーでこれをオーバーテイク。立川は4番手に浮上した。序盤からトップの#8 NSX-GT、さらに2番手の#23 Z GT500、3番手の#17 NSX-GTの速さが際立ってはいたが、立川はこの集団を追いながらGT300クラスの集団をかわしアグレッシブなレースを展開していった。
23周が過ぎる頃になると、戦いのなかで#39 GR Supraが後方から近づいてくるものの、立川はポジションをしっかりと守ったまま自らのスティント終盤を迎えていった。28周を終える頃になるとGT500クラスでもピット作業が行われていくことになるが、ZENT CERUMO GR Supraは隣のピットだった#14 GR Supraの作業の1周後、31周を終えピットインすることを決定。ピットでは石浦が待ち構えた。
しかしその31周目、立川はコクピットで異常を感じとった。4速が入らない。とはいえ、一度ピット作業を行えば変わる可能性もある。立川はピットインし石浦に交代。前戦鈴鹿ではアウトラップに苦しんだ石浦は、事前にその練習も行っており、その甲斐あって1分18秒348のアウトラップを終えるものの、やはり4速がない。
石浦はなんとか4速なしでも走行が可能かトライしていったが、非常にタイトなレース展開のなか、手負いの状態で走ってしまうとライバルたちに無用な迷惑をかけてしまう可能性がある。やがて6速も失ってしまい、石浦はわずか4周でピットインし、ZENT CERUMO GR Supraはガレージに戻されることになってしまった。
レースはその後すぐ、GT500クラスの#100 NSX-GTの大きなアクシデントにより赤旗中断となるなど荒れた展開となったが、もし走り切り戦い続けることができていたなら、表彰台を獲得できる可能性はあった。それだけに立川、石浦の両ドライバー、そしてもちろんTGR TEAM ZENT CERUMOのメンバー全員に悔しい表情が浮かんだ。
しかし、レースの悔しさはレースで晴らすしかない。次戦オートポリスは、ライバルたちのサクセスウエイトが半分になることから、上位進出へのハードルは上がるが、これまでのポテンシャルを活かせば決して不可能ではない。チームは一丸となってトラブルの解消、そして好結果を追い求めていく。
ドライバー/立川 祐路
「序盤からトップ3は速かったですが、良い展開でレースを進めることができていましたし、自分たちができるレースを進めていこうと戦っていきました。しかし石浦選手に代わろうかというタイミングで、4速に入らなくなってしまって。ピットに入ろうかという周だったので、そのまま交代しましたが、結果的にやはりダメでしたね。残念な結果になってしまいました。ここ数戦良い戦いはできているので、それをなんとか次戦結果に繋げたいと思います」
ドライバー/石浦 宏明
「前回アウトラップのタイムが苦しかったので、今回なんとかしたいと練習を積んだり対策していましたが、立川選手からの無線からのインフォメーションで『4速がおかしいかも』と連絡が入りました。バックストレートでインフォメーションどおりなのを確認し、その後4速を使わない走り方で走ろうかとも思いましたが、最後は6速もおかしくなってしまって。まわりに迷惑をかけないようにレースを止めることになってしまいました。トップ3に何かあれば表彰台も見える展開だったと思うので、残念です。今季いちばんのチャンスだと思っていたSUGOで得点ができなかったのはショックですが、オートポリスで本来のパフォーマンスをしっかり出さなければいけないと思います。僕たちらしいレースを見せたいですね」
監督/村田 淳一
「申し訳ない結果となってしまいました。このギアボックストラブルは我々のチーム特有のところもあり、チームとしてもTCDとしても制御など、いろいろなことを対策し、こういったことが起きないよう対策をしているのですが、どうしても防ぎきれない部分もあります。とは言え、何かできたのではないか? と感じる部分もあります。電子制御の部分でもあるので難しいのですが、今後二度と起こせないトラブルだと思っています。徹底してエラーを無くしていきたいですし、厳しい状況ですが、次に進んでいかなければならないと思っています」