2025年8月2日(土) Race1
KeePer CERUMO GR SUPRA#38 石浦宏明/大湯 都史樹
公式予選結果 3位 決勝結果 2位
6月下旬にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた第3戦から約1ヶ月強。2025年のSUPER GTはふたたび舞台を静岡県の富士スピードウェイに戻し、第4戦を迎えた。マレーシアから戻ってきたKeePer CERUMO GR SupraはTGR TEAM KeePer CERUMOの手によりメンテナンスされ、富士スピードウェイでの第4戦、そして鈴鹿サーキットで行われる第5戦に向けて準備を整えていった。
そんな第4戦だが、今回はSUPER GT史上初の試みとなる変則的なスケジュールが組まれた。8月2日(土)、3日(日)それぞれで公式練習、公式予選、そしてスプリントの決勝レースが行われるスケジュールで、各日1名のドライバーがそれぞれ戦う。2日(土)は35周の決勝レースで、GT500クラスとGT300クラスが混走するレースだ。
このレースを前にして、石浦宏明が2025年限りでのGT500クラスでの活動終了を発表したこともあり、TGR TEAM KeePer CERUMOにとっては大切なレースとなるこの第4戦だが、チームはまずは2日(土)は大湯都史樹を起用。3日(日)を石浦に託すことになった。
レースウイークを前に、台風9号の影響が心配された富士スピードウェイだが、迎えた8月2日(土)の富士は朝から晴天に恵まれ、午前8時30分から公式練習がスタートした。同じ富士スピードウェイでの第2戦で優勝を飾っているKeePer CERUMO GR Supraだが、大湯は「気温、路面温度もまったく違うので、フィーリングはかなり違いました」と第2戦での好調がそこまで活かすことができていなかったと語った。
大湯は途中フルコースイエローの訓練やGT300クラスの専有走行をはさみつつ、セットアップを進めながらアウト〜インを繰り返し、18周を走行。1分28秒190というベストタイムを記録し、3番手につけた。
「第2戦ときのコンセプトから若干変更して持ち込みましたが、それがあまり機能していない状況で、第2戦のときに戻してもあまり手ごたえがありませんでした」と大湯。
FIA-F4第4戦/第5戦の予選をはさみ、慌ただしく迎えた午前12時10分からの公式予選。短いインターバルの間に、公式練習で出た問題点を抑える方向でセットアップを進めコースイン。大湯はアウトラップから5周目、1分28秒456を記録し3番手につけることができたが「求めていることをやろうとすると良くはなりますが、今度はバランスが悪くなったりと、本当に欲しいパフォーマンスには至っていませんでした。3番手だった手ごたえはなかったですね」と大湯は不満を語った。
ただ、午後にはすぐに決勝レースがやってくる。また翌日には、石浦が担当する予選・決勝がある。「石浦さんも走るので、ある程度クルマのパフォーマンスをもっていきたい気持ちもありますが、レースのこともありますし……。あまりギャンブルもできません」と悩ましい状況。TGR TEAM KeePer CERUMOは岡島慎太郎エンジニアを中心に、レースに向けて改良を進めた。
迎えた午後3時15分からの決勝レースは気温34度/路面温度57度という酷暑のなか迎えた。大湯は「チャンスがあるとしたら前半」と語っていたとおり、オープニングラップのTGRコーナーで2番手の#1 GR Supraのインを差していく。ただ、オープニングラップの激しい争いのなかでポールスタートの#19 GR Supraを交えた三つ巴の戦いに。1周目、順位はグリッドどおり#19 GR Supra、#1 GR Supra、そしてKeePer CERUMO GR Supraと続くトップ3となった。
ただ、後方では10番手スタートの#14 GR Supraがコカ・コーラ・コーナー立ち上がりでクラッシュ。レースはいきなりセーフティカーランとなった。
6周目にレースはリスタートを迎えたが、この機を逃さず大湯は#1 GR Supraに続いて#19 GR Supraをオーバーテイク。2番手に躍り出た。さらに大湯はトップを走る#1 GR Supraを追っていったが、「予選よりも決勝がいつも速い」と大湯が評する#1 GR Supraは、ジワジワとKeePer CERUMO GR Supraとのギャップを広げていくことになった。
途中、パラパラと雨が降ったタイミングや、GT300クラスとの関係をうまく使いながら大湯はギャップを縮めつつ、最後まで#1 GR Supraを追ったものの、最後は2.529秒差の2位でフィニッシュすることになった。表彰台は喜ぶべきものだが、#1 GR Supraとの力の差を見せられたことも事実だ。これを打開するための力が求められる。8月3日(日)はいよいよ石浦宏明がステアリングを握り、レース2を戦うことになる。
ドライバー/大湯 都史樹
「レース序盤が勝負だと思っていたので、スタート直後は狙っていきました。そのおかげで2番手に上がり、作戦どおりになったかと思っていたのですが、前を塞がれてしまいポジションを上げることができませんでした。またセーフティカーも僕たちの展開には味方しなかったですね。抜くまではいかなくてもストレートで並ぶまでやりきろうと思ったのですが、そこで立川監督からセーフティカーの報せが入ってしまいました。その後のリスタートも展開には繋がりませんでしたね。表彰台には立つことはできましたが、クルマとしてはやはり#1 GR Supraの方に速さを感じました。この状態は良くないと感じています。僕たちも良い走りができたと思いますが、まだまだ満足がいっている状態ではないですし、#1 GR Supraと戦うためにはまだまだやることがあると感じたレース1でした。明日は石浦選手が戦うことになりますが、今日よりも動きがないレースになるはずです。余計にパフォーマンスが重要になると思うので、石浦選手がもっと楽に上位で戦えるような環境を作りたいと思います。明日に向けてしっかり取り組んでいきたいですね」
監督/立川 祐路
「忙しい一日でしたね。公式練習、予選、決勝と続くかなり慌ただしい日となりました。朝から比較的クルマは順調な仕上がりで、公式予選では3番手につけることができ、上位を狙えるポジションからのレースとなりましたが、大湯選手も積極的に仕掛けてくれたものの、惜しくも前に出ることはできずに終わってしまいました。もう少し雨が降ってくれれば大湯選手のコンディションになるかな、とも思いましたし、逆転のチャンスがあるかとも思ったのですが、止んじゃいました(苦笑)。とはいえ良い戦いはできていたと思いますし、明日もありますからね。残り5レースとなった石浦選手の走りを見届けたいと思います。皆さんもぜひ応援よろしくお願いします!」