2025年6月27日(金) Qualify 予選
KeePer CERUMO GR SUPRA#38 石浦宏明/大湯 都史樹
公式予選総合結果 9位
2019年第2戦以来6年ぶりとなる勝利に沸いた5月3日(土)〜4日(日)の第2戦富士から約2ヶ月弱。2025年のSUPER GTは、12年ぶりにマレーシアで開催される第3戦を迎えた。喜びに沸いた第2戦の勢いをシーズンに繋げるべく、TGR TEAM KeePer CERUMOは船便で送り出したKeePer CERUMO GR Supraとセパン・インターナショナル・サーキットで再会し、走行に向けて準備を進めた。
セパンは例年、GT500クラスのオフシーズンテストで活用されているコースであり、石浦宏明、立川祐路監督にとっては走り慣れたコースではあるものの、大湯はそれほど経験が多くないコース。今回の第3戦は12年ぶりの開催ということもあり、6月26日(木)に公式練習1回目が用意されるなど、通常よりも走行セッションが多い週末となったが、KeePer CERUMO GR Supraは大湯がステアリングを握り、現地時間午後4時30分にスタートした公式練習1回目に臨んだ。
大湯、そして変則的に木曜から行われたサーキットサファリでは石浦と交代し周回を重ねたKeePer CERUMO GR Supraだが、なかなか思うようにタイムが上がらない。22周を走り、1分52秒659というベストタイムを記録したものの結果は13番手。翌日の公式予選を考えると苦しい結果となった。第2戦を制したことで42kgのサクセスウエイトを積むことになったが、シーズン序盤にウエイトを積むことにはあまり慣れておらず、この影響が大きかった。
走行2日目となる6月27日(金)も午前から気温31度を超え、酷暑のなかで午前10時30分から公式練習2回目がスタートした。TGR TEAM KeePer CERUMOは苦境を脱し、公式予選で良いグリッドを得るべく、大湯がセットアップを行いながら周回。フルコースイエローの訓練なども活用しながらセットアップを進めていくものの、1分53秒775というベストタイムで結果は14番手。立川祐路監督も苦い表情をみせた。しかし、昨年からそうであったように、岡島慎太郎エンジニアをはじめとするエンジニアリングチームは、公式練習2回目の最後にセットアップを見出し、公式予選に向けて改良を施していった。
午前の公式練習のときは日射しも強かったセパンだが、午後4時30分からスタートした公式予選はやや雲が増えるなかで迎えた。ただ、曇り空ながら気温33度/路面温度40度という酷暑は続いている状況だった。
GT300クラスのQ1を経て迎えた午後5時03分からのGT500クラスのQ1。KeePer CERUMO GR Supraのステアリングを握ったのは大湯だ。開始直後にコースインしたKeePer CERUMO GR Supraは、少しずつタイヤをウォームアップさせながら、チェッカー周に乾坤一擲のアタックを展開していった。
ここで大湯は、1分51秒204という素晴らしいタイムを記録。これまで苦しんでいたKeePer CERUMO GR Supraを4番手に押し上げ、チームが取り組んできたQ1突破を果たしてみせた。
GT300クラスのQ2をはさみ、午後5時41分にスタートしたGT500クラスのQ2。KeePer CERUMO GR Supraに乗り込んだ石浦はピットアウトしていくものの、後方を走っていた#39 GR Supraのエキゾーストから煙が発生。車両を止めてしまったことで、Q2は一時赤旗中断となった。
残り8分での再開後、石浦はふたたびKeePer CERUMO GR Supraをコースインさせると、チェッカーに向けてアタックを展開。1分51秒426というベストタイムを記録し、3番手に飛び込んだ。ただ、大湯を中心としてセットアップを行っており、石浦はサーキットサファリしかドライブしていない状況で臨んだ予選。トップドライバーと言えど、いきなり数秒速い領域で走ることは難しい。本来のスピードをみせるには至らず、その後ライバルたちがタイムアップした結果、9番手という位置となった。
とはいえ、苦しい状況の走り出しからポジションを上げての9番手は、ポイントをしっかりと狙うためには悪くない位置でもある。TGR TEAM KeePer CERUMOは6月28日(土)の決勝レースで上位進出を目指していく。
ドライバー/石浦 宏明
「大湯選手のQ1のタイムには驚かされましたね。僕のQ2では赤旗中断があり、残り時間が8分となってしまったのですが、計測可能な周回が少なくなり、タイヤのピークを出すことに苦戦してしまいました。あと1周あればより高いグリップ感で走ることができたと思います。またそれまで、サーキットサファリしか走っていなかったことも少し影響してしまったかもしれませんね。結果的にQ1の4番手からはポジションを下げてしまったので悔しいところはありますが、大湯選手が仕上げてくれたクルマのポテンシャルは大いに感じたので、明日の決勝レースでは良いレースをして、ポイント差を縮めて日本に戻ることができればと思っています」
ドライバー/大湯 都史樹
「初日の走り出し、今日の公式練習2回目も大変な状況でした。最下位に近い順位だったので、そこからどう改善していこうかをずっと取り組んでいました。幸い走行時間がふだんよりも長かったこともあり、公式予選までにギリギリ間に合わせることができたと思います。また僕たちが使っているタイヤなどもコンディションに合ったこともあったので、手ごたえを得られたQ1でした。自分としてもある程度満足するアタックができたと思います。エンジニアも寝ずに取り組んでくれたと思いますし、この状態までもっていくことができたのは良かったです。チームの皆さんに感謝したいですね。予選を終えて、GR Supra勢のランキング上位が近い位置にいますし、ここでライバルに近寄られてしまうと富士での優勝のマージンがなくなってしまいます。1号車よりも前でゴールしたい思いはありますね。ただセパンはグリップダウンも激しいので、どうなるか分かりませんが、レースを楽しみにしたいと思います」
監督/立川 祐路
「ひさびさのセパンでのレースですが、走り出しからかなり苦戦してしまっていて、あまり良い状況ではありませんでした。チャンピオン争いを考え少しでも前のグリッドを得たいと、2回の公式練習では大湯選手を中心にセットアップを行い、Q1突破にかけることになりましたが、結果的にその狙いどおりに大湯選手が素晴らしいアタックをしてくれて、Q1を通過することができました。ただその結果、Q2を担当した石浦選手がニュータイヤのシミュレーションをまったくすることができないままだったので、苦しい役回りを任せることになってしまったのは申し訳なく思っています。とはいえ、チームが全力で頑張って取り組んだ結果、シングルから決勝レースを戦えることになったので、しっかりとこの位置から上位を狙い、可能な限り多くのポイントを日本に持ち帰りたいと思っています。引き続き応援よろしくお願いします!」