2025年10月18日(土) 予選
KeePer CERUMO GR SUPRA#38 石浦宏明/大湯 都史樹
公式予選結果 4位
2025年のSUPER GTは9月20日(土)〜21日(日)の2日間、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた第6戦から約1ヶ月のインターバルを経て、第7戦を迎えた。舞台は大分県日田市のオートポリス。タイヤに厳しく、この時季はタイヤにカスが付着しグリップを失うピックアップという現象も起きやすく、決勝ペースを確立するのが難しい。また3時間という長丁場のレースで、さまざまなドラマが起きる一戦だ。
そんな第7戦オートポリスだが、参戦7戦目の車両はサクセスウエイトが獲得ポイントと同数となる。これまで43ポイントを重ねてきたKeePer CERUMO GR Supraは、中盤戦は厳しいサクセスウエイトに苦しんできたが、今回はいくぶん戦いやすくなる。第6戦SUGOは悔しい無得点となったが、今回は多くのポイントを得て、最終戦に繋げるべく10月18日(土)の走行初日に臨んだ。
迎えた10月18日(土)は、事前の天気予報では午後から雨が降り出す予報が出ていた。TGR TEAM KeePer CERUMOは、午前9時25分からの公式練習でまずは大湯都史樹を走り出しのドライバーに据え、午後の公式予選に向けて準備を進めていった。走行開始時のオートポリスは晴天で、気温24度/路面温度31度というコンディションとなった。
大湯は走り始めの4周目、1分35秒755というタイムを記録。16周を走りピットに戻り石浦宏明に交代する。石浦もすぐに1分37秒675を記録し周回を進めていくが、事前の天気予報より少し早く雨が降り出してしまった。第6戦SUGOではペースに苦しんだこともあり、今回KeePer CERUMO GR Supraには新たなセットアップを施していたが、この感触があまり良いものではなく、大湯からのフィードバックを得ながら、石浦がセットアップの改善を行っていった。
午前11時20分から行われたGT500クラスの専有走行では雨脚が強くなり、全車がタイムを更新することなく公式練習は終了。大湯が記録した1分35秒755が公式練習のベストとなり、KeePer CERUMO GR Supraは11番手で公式練習を終えた。結果的に、コンディションの変化もあり実質的な戦力図は分かりづらいままとなったが、その後のサーキットサファリの最中に、石浦は良いフィーリングを見つけ、KeePer CERUMO GR Supraのパフォーマンスは大きく上がっていった。
公式練習の後、オートポリスの雨は止み曇り空のもとピットウォークは多くのファンで賑わったが、その後のFIA-F4第11戦の決勝レース後、オートポリスにはふたたび雨が降り出し、コンディションは刻々と変化していくことになった。
午後2時45分から始まった公式予選は気温21度/路面温度23度というコンディションでスタートした。GT300クラスのQ1のA組終了時にコースの液体処理が必要になったことから、GT500クラスのQ1は15分遅れの午後3時33分に始まった。GT300クラスのQ1開始時には雨は止んでいたものの、B組の走行時からポツポツと雨が舞う難しいコンディションとなっていた。
KeePer CERUMO GR SupraのQ1を担当したのは石浦。雨が舞い続け難しいコンディションでのウォームアップを強いられたが、アタックラップに入ると好フィーリングにも助けられ、セクターベストを連発していった。しかし、アタックラップでは同じGR Supra勢の一台が抜きづらいセクター3で前に立ちふさがってしまった。石浦は一度仕切り直してアタックしたが、またも同じ車両に引っかかってしまう。
石浦はタイヤの良いところを活かすことができなかったが、あきらめることなくアタックを続け、1分33秒512というタイムで10番手に。かろうじてQ2進出を果たすことができた。ただ、石浦にとっては納得がいかないアタックとなり、Q1の後に説明を求めにいくシーンもみられた。
GT300クラスのQ2終了間際に発生したアクシデントの処理の影響で、午後4時17分に始まったGT500クラスのQ2。KeePer CERUMO GR Supraは大湯がステアリングを握りコースインしたが、雨脚が強くなり急遽ウエットタイヤに換装してコースインした。
ただ、アタックを前に大湯はフラットスポットを作ってしまったこともあり、1分40秒431を記録したものの4番手。雨が一気に強くなり路面コンディションがヘビーウエットになっていったことから、そのままタイムアップはならず。予選を終えることになった。
Q1の石浦、そしてQ2の大湯とややストレスが溜まる公式予選となってしまったが、それでも4番手は悪くない位置でもある。長丁場の3時間レースで上位フィニッシュを果たすべく、チームは準備を進めていく。
ドライバー/石浦 宏明
「前戦のSUGOではタイヤをうまく使えず、バランスにも苦しんだことがありましたが、オートポリスもそういったことが多いコースです。そのために事前にしっかり準備をして、新しいセットアップに取り組んできたのですが、走り出しでは思ったようにいかず、ずっとセットアップ変更を行っていました。ただサーキットサファリの最中にすごくフィーリングが良くなったので、公式予選Q1を担当することになりました。天気予報では雨の可能性もあったので、アタック1周目が勝負だと思っていました。ただ、セクター3で詰まる状況が2回続き、タイヤもピークを過ぎてしまいました。クルマが良かったのでなんとかQ1を通ることができましたが、GR Supra勢は仲間でありライバルなので、お互い尊重し合ってレースをやっている気持ちで僕はいるので、少し残念でしたね。決勝レースは長いですし、天候もどうなるかは分かりませんが、選択を間違えず、みんなの経験値を活かしながら、自分たちの力を出し切ることができればと思っています」
ドライバー/大湯 都史樹
「公式予選では1コーナーでフラットスポットを作ってしまい、タイムが伸び悩んでしまいましたし、どれくらいいけるのか分からないままの雨の中でのアタックになってしまいました。ドライビングとしても詰め切れておらず、かつフラットスポットもできてしまったので、タイヤのパフォーマンスも出し切れなかったように感じています。4番手ではありますが、逆に驚いているくらいですね。個人的にはやり切れないままの予選になってしまいました。決勝レースではポールポジションからリードを築くのが理想ではありますが、ペースが良ければ追い上げられるコースでもあります。予選でコースアウトもあったので、クルマもしっかり確認してもらい、万全の状態でレースに臨みたいと思います。ペースはあるのではないかと思っているので、そこはポジティブにとらえていきたいと思っています」
監督/立川 祐路
「公式練習はドライコンディションでしたが、持ち込みのセットアップで新しいトライを行っていたものの、それがあまり良い感触ではありませんでした。ただ公式練習の中でなんとか立て直すことができ、予選に向けて非常に良い感触があったと思います。公式予選では、Q1の石浦選手のときにアタックラップでスロー車両に引っかかってしまい、ベストな結果を得ることはできませんでしたが、なんとか10番手に滑り込んでくれたことは良かったです。Q2は開始直前に雨が多く降り出し、天候に悩まされることになりましたが、序盤の水が少ないタイミングでのアタックで大湯選手がしっかりと4番手という位置につけてくれました。もちろん、もっと前のグリッドだったら良かったのですが、オートポリスでの3時間レースは予選があまり関係ないくらい、決勝レースのペースが重要になります。明日の天候がどうなるか分かりませんが、どんな天候にもうまく合わせ、良い結果を持ち帰りたいと思います」